15年前の苦い経験から学んだこと
- 滋光 森田
- 2 日前
- 読了時間: 3分
先日、子どもの学校の宿題で、「親に仕事のインタビューをする」という課題がありました。
仕事で失敗したこと、その失敗をどう乗り越えたのか。そして、インタビューを通して自分が将来何になりたいのか、それに向けて頑張っていることを「One Up宣言」としてまとめるという内容です。
「仕事で失敗したことは何だった?」と聞かれ、ふと15年ほど前の出来事を思い出しました。
当時、私はユニットを2階から順番にラウンドしていました。最後にショートステイへ行くと、あるご利用者様が大学受験のような難しい英語の問題集や本を読んでいました。
その方は、当時の他のご利用者様よりも二回りほど若い方でした。
私はその姿を見て、「こんな難しい英語の本を読んでいるんですね。すごいですね」と声をかけたのだと思います。そして、記憶は定かではありませんが、その本を手に取ってしまったのだと思います。
後日、ケアマネージャーを通じて、そのご利用者様が「物凄く憤慨している」と知らされました。
そのとき、私ははっとしました。
私はその方を、一人の人間としてではなく、「高齢者」「施設の利用者」という自分の中のイメージで見ていたのではないか。
90歳くらいのご利用者様と、同じような感覚で接してしまったのではないか。
そして何より、その方にとってどれほど大切なものなのかも知らずに、大切な本を勝手に手に取ってしまった。
自分の無神経さに気づかされました。
私は複数の職員に立ち会ってもらい、ご本人に心から謝罪(土下座)しました。
この出来事は、私にとって非常に苦い経験でした。
しかし、この失敗から学んだことは、その後の仕事をする上で大きな意味を持つことになりました。
ご利用者様は一人ひとり違います。
それぞれに歩んできた人生があり、生まれ育った環境があり、仕事があり、家族があり、大切にしているものがあります。
年齢や性別、身体の状態だけを見て「この人はこういう人だ」と決めつけてはいけない。
その人の背景を知ろうとすること。その人が何を大切にしているのかを理解しようとすること。
介護の仕事は、目の前にいる「利用者」を見る仕事ではなく、一人の人生を歩んできた「人」を見る仕事なのだと、この経験を通して教えられました。
あれから15年ほど経った今でも、この出来事は私の中に残っています。
今回、子どもの宿題をきっかけに久しぶりにこの話をしました。
息子にはまだ少し難しかったようで、あまりピンときていない様子でした(笑)。
それでも、いつか仕事をするようになったとき、失敗した経験が決して無駄ではないこと、そして人と向き合うときには、その人の「見えている部分」だけで判断してはいけないということを、少しでも思い出してくれたらと思います。
私自身も、あのときの経験を忘れずに、これからも一人ひとりの人生に向き合う仕事をしていきたいと思います。


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