地域に必要とされるデイサービスへ
更新日:5 時間前
令和8年11月1日をもって、さわの森の認知症特化型デイサービスは開設5周年を迎えます。
もともとの始まりは、今から20年前。さわの森の開設と同時に併設されたデイサービスでした。
私自身、かつてデイサービスの現場で働いていました。当時は1日20名ほどの利用者様にご利用いただいていましたが、平成23年の夏には月間利用者数が800名を超え、大規模デイサービスとして定員39名にまで拡大しました。その後も勢いは増し、月間利用者数が1,000名に迫るほどの活気ある事業所へと成長していきました。
当時のデイサービスを語るうえで、欠かせない職員がいます。
今でも懇意にしているケアマネジャー様ですが、彼が入職したのは今から15年ほど前のことです。サラリーマン出身の彼は、デイサービスの人事体制が変わる中、試用期間が終わるとすぐにリーダーとなり、その後は主任として事業所を力強く引っ張ってくれました。
彼がよく口にしていたのが、
「仕事は笑顔・挨拶・コミュニケーションが大事だ」
という言葉でした。
「施設長、今お手すきでしょうか」「施設長にお話があります」
そんな言葉から始まり、遅い時間まで仕事について語り合ったことが何度もありました。どうすればもっと良い事業所になるのかという建設的な話から、ここでしか話せないような本音まで、実に多くのことを話しました。
外食ツアーや外出レクリエーションなど、利用者様に楽しんでいただくための取り組みも積極的に行ってくれました。
また、当時はもう一人のリーダーがいました。彼はイベント会社出身で、デイサービスだけでなく、秋祭りなどの法人行事でもその経験を存分に発揮してくれました。そうした職員たちの力もあり、当時のさわの森はイベント色の強い、活気あふれる事業所だったと思います。
振り返れば、勢いのあった時代でした。
しかし、事業は順調なときこそ、先を見据えた判断が必要なのだと思います。
当時は介護報酬の制度改正もあり、利用者数が一定規模を超えると減算の対象となる仕組みがありました。そんな中、私が「そこまで頑張らなくてもいいよ」と口にしたことがありました。
その一言が、その後の利用者数の推移にどこまで影響したのかは分かりません。ただ、一度緩めた手綱を再び引き締めることは、決して簡単ではありませんでした。
平成27年をピークに、利用者数は徐々に減少していきました。
年間利用者数を比較すると、平成27年は10,958名。それに対して令和2年度は8,241名でした。新型コロナウイルス感染拡大の影響もあったとはいえ、その差は実に2,717名にもなります。
利用者数の減少は、当然ながら売上の減少につながります。一方で、職員の配置基準が原則として大きく変わらなければ、経営への影響は小さくありません。
当時のデイサービスは、他事業所との差別化をなかなか図れず、何年もの間、伸び悩んでいました。
デイサービスは「デイケア」とは異なり、リハビリテーションに特化するわけではありません。介護職員による日々の支援や生活の質を高めるサービスが中心となるからこそ、何を強みにして地域の皆様に選んでいただくのか、試行錯誤を続けていました。
そして、令和3年。
さわの森のデイサービスは、認知症特化型デイサービスとしてリニューアルオープンしました。
その背景には、プロスペクトガーデンデイケアとの役割分担という課題がありました。そして何より、柏野地区を中心とした地域の高齢化、さらには社会全体の課題となっている認知症の方や、そのリスクを抱える方々への支援など、地域福祉には多くの課題がありました。
地域で暮らす高齢者の皆様が、住み慣れた場所で安心して生活を続けていくために、私たちにできることは何か。
その答えの一つが、認知症に特化したデイサービスだったのです。
さわの森デイサービスには、介護経験15年、20年を超える職員が数多く在籍しています。さらに、ユニットケアのリーダー経験者も3人います。
長年の経験に裏打ちされた介護技術はもちろん、一人ひとりの生活歴や思いを大切にする個別ケア、そして利用者様やご家族に安心していただける接遇。そうした力を持った職員が集まっていることは、私たちの大きな強みです。
認知症の方へのケアは、マニュアルどおりに対応すればよいというものではありません。その方がどのような人生を歩んできたのか、何を大切にしているのか、どのような関わり方で安心していただけるのか。一人ひとりに向き合い、考え、工夫し続けることが求められます。
だからこそ、これまでさわの森が積み重ねてきた経験と、職員一人ひとりの力が生きてくるのだと思います。
そして現在、認知症特化型デイサービスは大変盛り上がっています。
特に今年の10月は、毎日満員御礼といえるほど多くの利用者様にご利用いただきました。
これは、単に利用者数が増えたということだけではありません。日々、利用者様に寄り添い、丁寧な介護と温かな接遇を積み重ねてきた職員の努力が、利用者様やご家族、そして地域のケアマネジャーの皆様から評価されている結果なのだと感じています。
もちろん、満員になること自体がゴールではありません。
大切なのは、ご利用いただく一人ひとりに「今日も来てよかった」と感じていただくこと。そして、ご家族にも「さわの森にお願いしてよかった」と安心していただくことです。
利用者数を追い求めていた時代、伸び悩んだ時代、そして認知症特化型デイサービスとして新たな一歩を踏み出した時代。20年という長い歩みの中には、成功もあれば反省もあり、さまざまな経験がありました。
その一つひとつが、今のさわの森をつくっているのだと思います。
開設5周年は、一つの節目にすぎません。
これからも、地域の皆様に必要とされ、認知症の方とそのご家族を支え続けられるデイサービスでありたいと思います。
そして、職員が自分たちの仕事に誇りを持ち、笑顔で働き続けられる事業所でありたいと思います。
これまで支えてくださった利用者様、ご家族、地域の皆様、そして関係事業所の皆様に、心より感謝申し上げます。フロイデの大越さん、大津さんには開設前に認知症の研修会を開催してもらったり認知症特化型デイサービスを見学させて頂きました。閉鎖的な介護業界で利害関係なく友好的に教えてくださりました。本当に感謝しています。
そして何より、日々現場で利用者様と向き合い、支援を続けてくれている職員の皆さんに感謝します。
今後とも宜しくお願い致します。





コメント